【ラノベ】さいはての終末ガールズパッカー
こんにちは、ざんまいと申します。
今回は、「さいはての終末ガールズパッカー」を読みましたので、その感想と紹介です。
記憶を失った自動人形《オートマタ》の少女リーナ。出来損ないの人形技師でトラブルメーカーのレミ。百億歳を過ぎた太陽が燃え尽きようとする凍える世界で二人は出会った。
「ねえ、レミ。私、もうすぐ死んじゃうかもしれないんだ」
「リーナは私が直してあげるから!」
人類の文明が滅んだ世界で、頼る者もいない。それでも壊れかけた人形の死を食い止めるため、二人の少女は東の果てにあるという《楽園》を目指す。
――きっと間に合わない。でも、最後の最後までレミと一緒にいたい。
終わりゆく世界で二人の旅は続く。
引用:さいはての終末ガールズパッカー
定期的に読みたくなる終末旅行系。積みあがった未読本の中から引っ張り出してきました。
荒廃した世界を感じさせないほど明るい二人の旅は読んでいて心地よいものでした。自由奔放なレミとそれに呆れながらも強く言えないリーナという組み合わせ自体は、アニメにもなった某終末旅行漫画と共通するところもありますが、リーナがオートマタであるというところがこの作品の鍵になります。
設定として約50億年後の地球(作品内で明言はないものの太陽系であることは確か)というものがあるのですが、人類が誕生して20万年しか経っていないことを考えると50億年後に果たして生きているのか疑問に思います。そもそも太陽が燃え尽きつつあるならそれよりもっと前に生命は……。作品内の時間感覚にさえ目を瞑ればとても楽しめます。
1冊で完結していることに加え、章ごとに話がまとまっているのでさくっと読めるかと思います。
藻野多摩夫先生はこの本を最後に新作を発表していませんが、次回作をとても楽しみにしています。
情報
タイトル:さいはての終末ガールズパッカー
著者:藻野 多摩夫
イラスト:みきさい